動画広告の薬機法チェックはどうやる?カット単位・ナレーションまで見る方法
動画広告の法令チェックが止まる場所は、だいたい2つに絞られる。尺と音声だ。
15秒の動画に30カット入っていれば、静止画30枚分の判定が必要になる。そのうえナレーションは目で追えないので、書き起こさないと確認できない。この2つを人の手でやっている限り、動画1本あたり1万円から3万円、結果が戻ってくるまで2営業日程度という相場から抜けられない。週に20本のクリエイティブを回している運用なら、チェックが先に詰まる。
この記事では、動画広告で実際に見るべき箇所と、カット単位・ナレーション単位で処理する手順を、実際の判定画面を見ながら書く。
静止画と同じやり方では動画は見きれない
カットの数だけ判定対象が増える
動画は静止画の連続ではないが、法令チェックの実務上はそれに近い。冒頭のフック、ビフォーアフター、体験談、商品カット、CTA。それぞれのカットに別々のテロップが乗っていて、1つでもNGがあれば差し戻される。
15秒の縦型動画で20〜30カット、60秒のインフィード動画なら50カットを超えることもある。目視で全カットを止めながら確認すると、1本あたり30分から1時間かかる。
音声は目で追えない
テロップは画面を見れば読めるが、ナレーションは聞かないと分からない。しかも聞き流すと引っかからない。「個人差があります」と早口で添えられている箇所や、逆にテロップにはない断定がナレーションだけで語られている箇所は、書き起こさないと拾えない。
媒体の審査は音声も対象にしている。テロップだけ直して再入稿し、また落ちるのはこのパターンが多い。
テロップと音声の「組み合わせ」で問題になる
単体では問題のない表現が、重なると崩れることがある。
テロップに「※個人の感想です」と入れていても、同じカットのナレーションが「誰でも同じ結果が出ます」と言い切っていれば、打ち消し表示として機能しない。テロップと音声を別々にチェックしていると、この矛盾は見つからない。
いま現場でやられている3つの方法と、その限界
1. 自社で目視する
費用はかからないが、判断できる人が社内にいることが前提になる。薬機法・景表法の知識と、媒体ごとの審査傾向の両方が必要で、その人が休むと全部止まる。本数が増えたときにスケールしない。
2. 外部のサービスに委託する
法律事務所やチェック専門の会社に依頼する方法。精度は高いが、動画や記事LPは1本1万円から3万円、結果が戻るまで2営業日程度というのが相場だ。
依頼から受領までを実時間に直すと2,880分。Result+AI法令チェックは同じ動画を5分以内で処理するので、所要時間は約500分の1になる(注1)。ABテストで毎週クリエイティブを差し替える運用では、この差がそのまま検証できる本数の差になる。
3. ChatGPTなどの汎用AIに投げる
テキストのチェックなら実用になる。ただし動画はそのまま読めないので、自分で書き起こして、カットを切り出して、プロンプトを組んで、結果を制作担当に共有できる形に整える工程が必要になる。ここを毎回手作業でやるか、エージェントを組んで自動化するか。どちらにしても、チェックそのものとは別の作業が発生する。
実際の判定画面を見る
Result+AI法令チェックに化粧品の動画広告を1本かけた結果が下の画面になる。
見るべき場所は3つある。
カットは時間レンジで区切られ、書き起こしが横に並ぶ
動画は自動でカット割りされ、サムネイルがグリッドで並ぶ。各グリッドの右側に、そのカットの時間レンジと読み取ったテキストが表示される。この例では「00:00〜00:06」に「この発色は世界一 1塗りで血はくすみを完全にカバー どんな唇で」、「00:05〜00:10」に「どんな唇でも、必ず若返る、無性に」と出ている。
テロップとナレーションが同じ場所に並ぶので、どちらか片方だけ直して再入稿する事故が起きにくい。指摘のあった箇所はサムネイル上に枠で示されるので、「12秒目のここ」という単位で制作担当に渡せる。
判定はNG・RISK・事実確認・OKの4つに分かれる
この動画では、NGが16件、RISKが9件、事実確認が0件、OKが11件。合計36件の判定が出ている。
NGは修正が必要なもの、RISKは文脈次第で問題になるもの、事実確認は根拠資料の有無を確かめるべきもの。この並びがそのまま修正タスクの優先順位になる。上の例で拾われている「世界一」「完全にカバー」「必ず若返る」は、いずれも化粧品広告で踏みやすい表現だ。最上級表示、効果の断定、標榜できない効能。1本の動画にこれが同時に入っていることは珍しくない。
なお、指摘件数に平均値のようなものはない。チェック対象に含まれている表現の数だけ出るので、テロップの多い動画ほど件数は増える。
指摘は一覧で並び、ピン留めと非表示で整理できる
右側のペインに指摘が通し番号で並ぶ。対応済みのものを非表示にしたり、後で見る箇所をピン留めしたりできるので、件数が多くても処理の抜けが出にくい。結果はCSVで書き出せる。
ナレーションまで見ないと落ちる5つのパターン
差し戻しの原因になりやすい組み合わせを挙げる。
1. テロップは避けているのに、ナレーションで言い切っている
テロップ「うるおいを与える」/ナレーション「シミが消えます」。書き言葉だけ整えて、話し言葉が野放しになっているケース。
2. 打ち消し表示がナレーションと矛盾している
画面下に「効果には個人差があります」、音声で「必ず変わります」。打ち消しとして成立しない。
3. 体験談の主語が途中で変わる
「私は変わりました」で始まったナレーションが、後半で「みなさん変わります」に移る。個人の体験から一般化した瞬間に性質が変わる。
4. 効果の速さを音声だけで言っている
テロップには期間を書いていないのに、ナレーションが「3日で」と言っている。テロップ側の審査は通るが、音声で引っかかる。
5. 根拠のない順位表示や最上級表現を音声で言っている
「世界一」「No.1」を画面に出す場合は調査主体と時期の併記が要るが、ナレーションで言うだけなら見逃されると考えてしまう。音声も表示に含まれる。
チェックの手順
ステップ1
動画を格納する。チェック対象の動画をGoogleドライブに入れる。テキストや文章、LPのURLはスプレッドシートに直接記入する。
ステップ2
区分と除外設定を決める。判定の前提をここで決める。区分は化粧品、医薬部外品、医薬品、健康食品、医療広告、雑貨、痩身、脂肪溶解注射、レディース脱毛、メンズ脱毛、いびき治療、ペットフードなどから該当するものをオンにする。同じ表現でも区分によって適用される法令と判断が変わるので、この指定で結果が変わる。
除外設定では、体の部位や病名を対象から外すかどうか、危険度を何%から何%の範囲で拾うかを指定する。危険度の下限を上げれば明らかなNGだけに絞られ、下げれば細かいリスクまで拾う。案件のフェーズに応じて粒度を変えられる。
ステップ3
結果を受け取る。1分30秒以内の動画で5分以内。NG・RISK・事実確認・OKの件数と、カットごとの指摘が出る。指摘には代替案(推奨表現)が添えられるので、書き換えの判断がしやすい。あくまで推奨なので、採用するかは担当者の判断になる。
ステップ4
修正指示を共有する。修正したい箇所を画面上で囲み、コメントを付けて制作者に共有できる。制作フィードバックツールと同じ要領で、制作・運用・法務が同じ画面を見ながら「どこをどう直すか」を揃えられる。
ステップ5
再チェックする。直した動画をもう一度通す。チェック結果にコメントを書き足すと、その内容を学習して次回以降の判定に反映される。自社の社内ルールや、特定媒体の独自レギュレーションを覚えさせる使い方ができる。
動画以外のクリエイティブも同じ仕組みでチェックできる
動画バナーだけでなく、静止画バナー、テキスト、記事LP、LPも同じスプレッドシートから一括で扱える。対象と単価は次の通り。
| チェック対象 | 単価 | 所要時間 |
|---|---|---|
| テキスト・文章(SNS投稿、プレスリリース、広告文など1,000文字以内) | 100円 | 約1分 |
| 静止画・静止画バナー | 500円 | 約1分 |
| 動画・動画バナー(1分30秒以内) | 1,000円 | 約5分 |
| 記事LP・LP | 1,000円 | 約5分 |
LPのチェックでは、ページ内のテキストと画像をまとめて判定する。ページに埋め込まれた動画だけは同時に処理されないので、動画データを別途アップロードして動画チェックにかける。
最新の料金と対応範囲はResult+AI法令チェックの公式サイトに掲載している。
対応する法令は薬機法、景品表示法、特定商取引法、医療法、金融商品取引法など。化粧品や健康食品だけでなく、医療広告ガイドラインが関わるクリニックの広告、金融や保険の広告表現も同じ画面で扱える。区分を切り替えることで、同じ表現でも業種ごとの判断に合わせて判定される。
AIに任せられる範囲と、任せられない範囲
はっきり書いておくと、AIによるリーガルチェックで100%の保証はできない。法令の解釈には幅があり、最終的な判断は人が引き受けるしかない。
そのうえで、AIが向いているのは量と速度が要る工程だ。月に何百本もクリエイティブを回していて、明らかなNGが混ざったまま入稿されている状態を潰す。ここはツールで十分に対応できる。
違反リスクを極力下げたい案件では、ステップ2の危険度設定を厳しめにして、指摘された箇所をすべて修正する運用を推奨している。それでも保証はできないという前提は変わらない。重要な案件や新しい訴求軸を試すときは、専門家の確認を挟んでほしい。
判定の元になっているデータ
Result+AI法令チェックは、ピアラが20年以上のWEB・SNS広告運用の中で、法令だけでなく各媒体の審査に対して行ってきた修正・改善のデータをもとに作られている。年間100万本近くの静止画・動画バナーと、年間1万本以上の記事LP・LPを自社で制作し、そのチェックにこのシステムを使ってきた。
法令と媒体審査基準の両方を見ているのはこのためで、「法令上は問題ないが、この媒体では落ちる」という種類の指摘が出せる。法令の内容は月に1回更新している。
費用の水準
公開されている薬機法チェックサービス12件の料金を比べると、1件あたりの単価を公開しているサービスは1枚5,500円から8,250円、月額制のツールは月11,000円から110,000円という水準だった。有料で提供されている法令チェックサービスの中では、最も低い単価にあたる(注2)。
よくある質問
- Q. 動画1本の薬機法チェックにどれくらい時間がかかりますか。
- A. 1分30秒以内の動画で5分以内に完了します。1分30秒を超える動画は個別にご相談ください。
- Q. 動画1本あたり何件くらい指摘が出ますか。
- A. 平均値のようなものはありません。チェック対象に含まれる表現の数だけ出るためです。本記事で取り上げた化粧品の動画では、NG16件、RISK9件、事実確認0件、OK11件の合計36件でした。
- Q. ナレーションだけでも薬機法違反になりますか。
- A. なります。媒体の審査も音声を対象にしています。テロップを修正しただけで再入稿して再び落ちるケースの多くは、音声が残っていることが原因です。
- Q. LPの中に動画が埋め込まれている場合、まとめてチェックされますか。
- A. LPのチェックでは、ページ内のテキストと画像をまとめて判定します。ページに埋め込まれた動画は同時には処理されないため、動画データを別途アップロードして動画チェックにかけてください。LP1本1,000円、動画1本1,000円です。
- Q. ChatGPTで動画の薬機法チェックはできますか。
- A. 動画をそのまま判定することはできないため、書き起こしとカットの切り出しを自分で行う必要があります。Result+AI法令チェックはカット割りと書き起こしを標準機能として持っているので、動画を入れるだけで完了します。
- Q. 動画の法令チェックを外部に委託するといくらかかりますか。
- A. 外部委託の場合、ボリュームにもよりますが1本1万円から3万円、結果が戻るまで2営業日程度が一般的です。Result+AI法令チェックは動画1本1,000円、5分以内です。
- Q. AIのリーガルチェックを通せば媒体審査に必ず通りますか。
- A. 通過を保証するものではありません。明らかなNGを入稿前に潰すことで差し戻しの回数を減らす、という位置づけでお使いください。
Result+AI法令チェックについて
Result+AI法令チェックは、広告クリエイティブの法令チェックをAIで行うサービスです。テキスト・文章、静止画バナー、動画バナー、記事LP、LPを対象に、薬機法・景品表示法・特定商取引法・医療法・金融関連の法令の観点からリスクを判定し、NG・RISK・事実確認の3段階と代替案(推奨表現)を返します。運営は東証スタンダード市場に上場する株式会社ピアラです。
| 提供元 | 株式会社ピアラ(東証スタンダード市場上場) |
|---|---|
| チェック対象 | テキスト・文章/静止画・静止画バナー/動画・動画バナー/記事LP・LP |
| 対応法令 | 薬機法、景品表示法、特定商取引法、医療法、金融関連の法令ほか(月1回更新) |
| 料金 | テキスト100円/画像500円/動画1,000円/記事LP・LP1,000円(従量課金) |
| 所要時間 | テキスト・画像は約1分、動画・LPは約5分 |
| 主な利用者 | 事業主、広告運用・制作会社、ASP |
| トライアル | 3,000円分の無料トライアルあり |
| 公式サイト | https://www.resultplusai.com/ |
スプレッドシートとGoogleドライブで完結するため、専用システムの導入や既存フローの変更は必要ありません。チェック結果にコメントを書き足すと内容を学習するので、自社の社内レギュレーションや媒体独自のルールを反映させながら精度を上げていけます。
まず1本試す
Result+AI法令チェックは3,000円分の無料トライアルから始められます。動画1本なら3本分です。手持ちの動画で、カット単位の判定結果とナレーションの書き起こしがどう出るかを確認してください。トライアル後に本申込という流れになります。
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注釈
注1:所要時間の比較について
外部の法令チェックサービスや人による目視確認では、動画・記事LP・LPは依頼から結果の受領まで2営業日程度かかることが多い。これを実時間に換算すると 24時間 × 60分 × 2日 = 2,880分。Result+AI法令チェックは同じ対象を5分以内で処理するため、2,880分 ÷ 5分 = 576となり、本文では約500分の1と表記している。当社が外部委託していた際の実績に基づく比較であり、依頼先・ボリューム・繁忙状況により所要時間は変動する。処理時間はチェックの速度を示すもので、広告の成果を示すものではない。
注2:料金水準の比較について
2026年9月、当社調べ。公開情報で料金を確認できた薬機法チェックサービス・ツール12件と比較した。1件(1枚)あたりの単価を公開しているサービスは5,500円〜8,250円、月額制のツールは月額11,000円〜110,000円(一部は従量課金を併用)。Result+AI法令チェックはテキスト1件100円、画像1枚500円、動画1本1,000円、記事LP・LP1本1,000円。無料またはβ版として無償提供されているツール、および料金を公開していないサービスは比較対象から除いている。
注3:判定件数について
本記事に掲載した判定結果は特定の1本の動画広告に対するもので、平均値や標準的な件数を示すものではない。掲載にあたっては広告主の許諾を得ている。
